Wednesday, February 10, 2010

ウェスタン・ストーリーの第六部

ライフルの銃声とともにストンプは撃たれたの如くに乗っていた栗色馬から降りた。しかし隠れ場へと素早く転がったので銃弾はあたってないと見えた。乗っていた鹿色馬からすっと降りながら.44-40ライフル銃を鞘から抜いた。岩の後ろに隠れたや否や、銃弾はその岩の一角を食ってしまった。鹿色の馬は私の焦げ茶色の奴と来た方向へと駈けた。ストンプの馬らも追った。一時まった。そして口笛を吹いた。運がよけりゃ私の鹿色の馬はその合図で止まる。

「ストンプ。」

彼は私の方へ向いた。自分のウインチェスターを彼へと投げた。「撃っている奴の注意を引いてくれ」と言って、馬の後に追った。運が向いてた。岩場の側で鹿色の奴は立ち止まっていて、他の馬も近くで雑草を食ってた。ウインチェスター銃は鳴って、銃弾がキーンと峡谷の向こうへと響いた。頼んだ通りにストンプは奴の注意を引いていた。サードルバグからモカシンを取り出して、帽子を脱いで、頭を茶色いバンダナで覆った。テキサスレーンジャを父にそしてチェロキーインディアンを母にインディアン領地で育った私はインディアンの自然に溶け込む術を身につけた。ライフル銃を撃っている奴は常にストンプに注意をしていたらやがて私の拳銃はそいつの首に着くだろう。

.44口径をホルスターから取ってタマと装置をチェックした。シリンダーに6個目の銃弾を突っ込んでホルスターに戻して、撃鉄に革ひもをかけ、ホルスターに固定した。

それで私は白人の世界からインディアンのに戻った。丘を上った。下の方でスタンプは適当にライフルを撃ってて、待ち伏せしたやつの注意を引いていた。そいつから400メートルぐらい離れた所で淵を上りきった。それから淵にそって猫のように音を立てずに近づいて行った。もちろん、十分下がって空にシルエットされないように気をつけた。

男が岩に囲まれていた所で見つけた。静かなモカシンで忍び寄った。最後の数メートルは30分ぐらいをかけて近づいた。やっと手を伸ばせば触れるほど近くなった。

「銃をおいて手をあげろう」と言いながら拳銃の撃鉄を引いた。奴は固まった。拳銃の銃口を首に着けてブスカデロ風のホルスターから奴の拳銃を抜いた。「お前、もう終わりだ。ライフルを捨てろう」と。

男はライフル銃を離した。私はそれを拾って、声を上げた。「ストンプ!降りて来るよ。」コルト銃で奴をつついた。「じゃ、お前、首の後ろに手を組め。保安官と話に行くゼ。」


男はフレンチ・デステーンという。そいつを貸し馬に縛り付けて残っている三人を追って馬を走らせた。フレンチによると必ず待ち伏ているに違いない、と。するとメキシコへと自由に逃げられると。「おめえら二人をやるのはどうっちゅうことない」と言う。「駅馬車の皆やったし、金も取った。すげ量だぜ、その金。」フレンチはどうしても自慢話をする。

ストンプは先頭でまだら馬をのって、栗色馬を引っ張っていた。ストンプらしく鞍に真っすぐと座ってた。ストンプの後に私、そしてフレンチは最後。そいつは縛り首になるのを自身で認めたくなかったようだ。

気を張って進んだ。ライフルを手にし、目で廻りを細かく見回した。スクラブ樫とピニョン松は石と石の間にやっと生きていた。渓谷の淵の上、空に羽を伸ばしていた紅尾鷹が一羽。普通ならその美しい風景に見取られるはずだったが、今ではいつ銃弾がどこから跳んで来るかと気を張るしかなかった。

銃弾がトン出来た時、ストンプのまだら馬の先に小道にホコリをたてて銃声がした。撃ったやつの位置は銃煙で標された。私、栗色馬の反対側から降りた。良い馬だったが私より彼に銃弾が当たるようにしたかった。ストンプはライフル銃を手にしたままで動かなかった。

「親父?」

「聴こえるよ、ネイト。ライフルを下ろして出て来い。俺、捕まえに来さんでよ。」

「親父。何も出来ないよ、あんたは。狙い撃ちだってできるさ。死にたくなきゃ、フレンチを離して、銃を地面に捨てろう。いますぐに。それに後ろへと下がれ。」

フレンチがあざ笑い。「爺さんよ。だれがボスだというんだよ。バカたれ。」

「親父!聞こえねえのか?銃を捨てろう!」

ストンプはため息をして、それからライフルを小道の脇へ投げ捨てた。「ネス」って言った。意味はわかってた。私もライフルとコルト拳銃を彼の銃の側へと投げた。

「フレンチの銃も」とネイトは声を上げた。ストンプはその銃も投げた。

「ヨシ。引き下げろう。」

ストンプはまだら馬を下げさせた。私は自分の栗色馬を引っ張って歩いた。捨てた銃が見える所で止まった。
フレンチは大声を上げた。「おおい。ネイトよ。この鞍に縛られとるんだよ。」

ストンプはまだら馬から降りた。ささやかな声で「ネス、サドルバグにあるコルト銃くれ」と。

「ストンプよ。あっちに四人いるぜ。あんたは一人だし。」と私。

「あちらにいるのは俺ん倅よ。拳銃くれ!」

ストンプに.44口径を渡した。

彼は手をだした。「銃弾。」

銃弾の箱をあけて、鷲掴みして、銃弾を渡した。

ならずものたちは歩いて銃を取りに来たから、馬は比較的に遠い所で繋いでいたようだった。高笑いながら銃を拾った。かれらに世の中はバラ色だったにちがいない。ストンプは私の.44口径のコルト銃にタマを突っ込んだ。手を下げて銃を足の脇で持ちながらストンプはならずものへと歩き出した。ネイトと仲間はストンプの動きに気がつかなかったようだ。

ストンプは大声で「ナサニエル・ヘール!おめえ、その銃を捨てて放棄しろう。間違ったことをしたんだ、おめえは、で、付けを払わんにゃ」と叫んだ。

肌黒いブリードとよばれた男は素早く撃った。銃弾はストンプの3メートルも前でホコリを立てた。ストンプは冷静に拳銃を上げ、狙いを定め、そして体重が右足に乗った所で引き金を引いた。ブリードは腕を広げて糸が切れた操り人形のようにつぶれた。

フレンチの銃はまだストンプが投げたままだった。それを拾うためにダイブをした。ネイトとタイ・シンクレアが同時に撃ったが拳銃で動く標的を当てるのは難しい。相当練習しないと出来ないことだ。

ストンプは真っすぐ歩き続けて言った。「ネイト、おめえを撃ちたくなえが・・・」

ネイトは笑ってもう一発撃った。

ストンプはよろめいて、またある来した。拳銃をあげて狙いをした。また右足に体重がかかった時に撃った。銃弾はフレンチの鼻の15センチほど前に小道の硬い表面からはねて額に穴を荒削った。フレンチは崩れて動かなかった。ストンプは歩き続けたが左脇がら血が滲み出ていた。

シンクレアは撃った。ネイトは撃った。ストンプは倒れた。が、.44口径は上がって鳴って、そして屠殺された牛のようにシンクレアは崩れた。

ストンプは何とか立てた。「ネイト、銃を離せ」と。

ネイトは首を横に振った。「親父よ。そいつは出来ん。連れて帰らせるわけにはいけねえ。」そしてネイトは拳銃の撃鉄を引いてストンプを真ん中に撃った。

ストンプは後ろへと小道に大の字になって倒れた。

ネイトはゆっくりとストンプに近づいて父親の顔を眺めるようにした。「俺がなにをしても親父が認めてはくれなかったよ。何も。出来んかったよ。」

ストンプの大きな左手は動いた、上がった、そしてネイトのジーンズを掴んだ。「やめろう」と小さなこえ。「今やめろ。さもなかったら、一生逃げ回ることになるぜ。」

「親父。おめえ、分かってないだ。死でるんだよ。おめえは。」ストンプの手を振り払った。

ストンプの右手にあった拳銃は自身の意思で上がったようだった。拳銃は上向きでネイトの身体に銃弾を打ち込んだ。そして小道に落ちた。

「クソクソクソク・・・」ネイトはゆっくり跪くようにして、そしてストンプの足の上に倒れた。


ストンプと息子の遺体をグラント・クロッシングまで運びました、そして二人が母で妻のマーサーの側で眠らせた。セイント・ジョンズでオエンズ保安官にコムストックのお金を預けたが連邦保安官のバッジを取って置いた。ストンプを眠らせてから二週間ほど経ったところでM.K.ミード連邦保安官がRP牧場を訪れて来た。

コーヒーを飲みながらミード保安官は「ストンプ・ヘールとその息子の話を聞いた」と。

「残念ながら、私には見届くことしかできなかったが。」

「ハベロック、ストンプはいい保安官だった。彼の口癖は正しいことをしようとする男はどんな妨げも乗り越えることが出来るのだったな。」

隅にあった机に行ってストンプと私が着けていたバッジを取り出した。「ミード保安官。」バッジを手のひらにのせて差し出した。「これらをお返しします。」

保安官はバッジを取って、補佐のバッジをポケットに入れた。連邦保安官のバッッジを手のひらに乗せたままにした。「ネス、この国は成長しているんだ。そして、正しいことをしようとしている男が必要。どうでしょう?ストンプを喜ばしてこのバッジを付けないか?アリゾナの北部に出来る保安官が必要であなたがその男と睨んでいるが、やってくれますか?」

妻のリタはドナツを山盛りにした皿をもって部屋に入った。「ミード保安官、私たちのコックのスナッフェイはアパッチ郡で一番うまいドナツをつくるので食べてみませんか。」

保安官の微笑みは十分な答えでした。

リタに「君、ミード保安官は私にストンプのバッジを着けろうといっているけど、どう思う?」と。

彼女は私の目と見詰めながら「ジョハネス・ハベロック、いつもと同じようにあなたは正しいことをするようになさるでしょう」とささえてくれました。

Thursday, February 4, 2010

ウェスタン・ストーリーの第五部

なんと言ったって、荒れ地を通るのは危なっかしい。どこに探せば良いか知っているなら、水があるし、馬が踏み外したら溶岩バッブルに飲み込まれることだってありうる。月が出ていたから小道が見えていた。出来る所で馬を走らせたし、出来ない所では軽駆けさせた。スタンプはネイトと連中がエル・パソに着く前に追いつくことに集中していた。

夜明けたら止まって鞍を移した。私のをあの焦げ茶馬に、またストンプはまだら馬へ。それから、小さなたき火をして、コーヒーを入て、飲んで、残りかすで火を消した。

昼下がりで連中の最初の間違いを目つけた。小道に溶岩ドームが重なってあった。そのドームの中に大きな穴が開いていた。まだら馬を止めさして、鹿毛色の馬への引き綱を倉に繋いだままで降りた。ドームの上に歩くのが危険で四つん這いですすんだ。穴に近寄ったら、腹這いにして除いた。

「ストンプ、馬一頭死んでいる。落ちて、怪我したようだ。連中、そいつを撃つしかなかったんだろう」と言った。

焦げ茶色の馬にもどって縄を拾った。鹿毛の馬を繋いだままで倉を下ろした。溶岩の厚そうな淵を選んで、鞍の敷布をかけて、縄が切られないようにした。自分に縄をもやい結びで止めた。

ストンプに縄の端を渡した。「ゆっくり下ろしてくれ。死んだ馬を調べるから。」

溶岩ドームの中に入ったら、馬の前足が折れていて、横腹に深い傷があった。触ってみた。冷たくなっていた。前足を掴んだら膝で曲がった。横壁まで行ってストンプを呼んだ。「上へ引っ張ってくれ。」

引っ張り上げてくれた。

「馬は冷たいがまだ堅くなってない。馬一頭死んでいるとだれかの馬は二人を運ぶはめになる。また落ちた時に乗っていた奴は怪我したかどうかわからん。」ストンプを見つめた。「俺たち追っていることが奴に分かっているんだろうか。」

「早かれ遅かれ分かるさ。」

「隠れて俺らを待ち伏せるのか。」

「やって見るだろうよ。」

「くそう。」

ストンプは言う。「鞍着けろう。行くぜ。」

日暮れでは溶岩の峡谷で洞穴の中でベーコンと焼きパンを僅かなたき火で作って食べた。馬たちはノーズバッグに顔を突っ込み残りの大麦を食べていた。水は水筒にあった分しかなかった。

「リオグランデ川はまだ遠い。こことあそことの間に水はどこかにあるか?」とストンプは私に尋ねる。

「あるのはある、探せるなら。最も近いのはイーグル・ネスト・タンク。20里ほどだろう。」

ストンプはベーコンをパンに包んで齧った。「朝までに着くかな?」

「昼までかかるだろう。ここからイーグル・ネストまでの地方は結構あれておるんだ。」私もパンとベーコンを齧った。うまかった。水を一口だけ飲んだ。

ストンプはサドルバッグのなかに何かをさがしていた。やがて銃弾が入っている布袋を取り出した。「ちょっと拳銃の練習をしてくるよ」と言って焚き火から離れた。見えなかったが拳銃を撃ってまたタマ突っ込んでまた撃って、四回繰り返した。正確に撃つなら練習しないと。ストンプはいつも練習していて、必要な時に正確に撃つ人だった。

ストンプは戻って、座り込んで、銃の手入れを始めた。「寝ろ」と言う。「月が出て来たら起こすから。そうしたら出る。」

目を閉じたと思ったら、ストンプは私の肩を揺らした。月は渓谷の淵から覗くような満月だった。借りた馬に鞍をつけ、小道を辿った。そして、日の出から一時間ぐらい時間が経った所で銃声で止まった。